【第2回】Windows ハンズオン:VPSとは?

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前回はサーバーについて解説しました。本連載では実験環境で利用するVPSについて説明します。

1. なぜVPSを使うのか?

Windows Server 2019の環境を構築する方法はVPS以外にも色々あります。本連載でVPSを使うのは「安くて簡単で、手間がかからないから」です。本連載ではVPSを使ってWindows Serverを構築しますが、ご自身の環境や予算、スキルに合わせて最適な方法を選択してください。

<参考:各種サービスの比較>

No.サービス費用難易度説明
1仮想環境 (Virtual Boxなど)不要PCにVirutal BoxをインストールするためPCのスペックが必要となる。
またWindowsのインストールメディアの用意が必要となるため、
事前準備が面倒。
2レンタルサーバOSに対する管理者権限がないため設定変更できないため検証不可
3VPS少々費用はかかるが難易度が低く初心者向け。管理者権限が
付与されているため自由に設定変更できる。
4クラウド(AWSなど)自由にカスタマイズできるインフラスキルが必要。
またVPSと比較して利用料金が高い

本連載ではVPSとして本連載執筆時点で最も費用が安い Indigo for Windows Server を使います。

2. VPSとは?

「VPS(ぶいぴーえす)」とはVirtulal Private Server の略で、そのまま訳すと「仮想的な個人用のサーバー」です。下の図を見てください。レンタルサーバの場合だと、Aさん、Bさん、Cさんが一つのサーバーを共有しています。一方でVPSの場合はAさん、Bさん、Cさんに1台ずつ仮想サーバーが割当てられています。

レンタルサーバの場合だと複数の利用者でサーバーを共有しているので、好き勝手に設定を変えたりすることはできません。ところがVPSの場合はそれぞれの利用者に1台ずつサーバーが割り当てられているので、利用者が自由に設定変更したり、アプリをインストールしたり、再起動したりすることができます。

VPSについてもう少し具体的に説明します。VPSは自分のPCではなく、VPSプロバイダーが提供する仮想化基盤上に構築します。

VPSプロバイダーの物理サーバーには「Hypervisor (はいぱーばいざー)」と呼ばれるソフトウェアがインストールされています。このHypervisorによってコンピューターの仮想化を実現します。物理サーバーは仮想マシンに対して、CPUやメモリ、ネットワークインターフェースなどのリソースを提供しています。ストレージは仮想マシンに対して、ディスクを提供します。

コンピューターの仮想化を実現するHypervisor、物理サーバー、ストレージなど合わせて「仮想化基盤(かそうかきばん)」と呼びます。

ここまで座学が続きましたが、次回は実際に手を動かして仮想化基盤に仮想マシン(VPS)を構築していきます。

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