Windows Server 2012R2をSANストレージとして利用する_その2

前回はSANストレージの概要について説明しました。今回はWindows Server 2012R2を利用たiSCSIストレージについてより具体的に解説したいと思います。

■Windows ではLUNはファイルとして扱われる
LUNを作成するというと難し感じるかもしれませんが、Windows ではiSCSIで利用するLUNはNTFS上のファイルとして扱われます。Windowsではこのファイルのことを仮想ディスクと呼んでおり、拡張子は.vhdxです。次の図はEドライブをiSCSI領域として利用した場合のイメージです。

以下は実際に作成したイメージです。デフォルトだと[指定したドライブ\iSCSIVirtualDisks]配下に作成されます。

■仮想ディスクの容量は固定と可変がある
Windows Server 2012R2では、仮想ディスクには容量固定と容量可変の2種類があります。
※RなしのWindows Server 2012では固定容量のみとなり、容量可変は利用できないので注意してください
[容量固定]
・VMwareのシックプロビジョニング(Eager zeroed)に相当
・ディスク作成時に容量分の領域サイズを確保
・ディスク作成時に領域を0で初期化
・データベース領域など高IOPSが求められるディスク向け(高パフォーマンス)
[容量可変]

・VMwareのシンプロビジョニングに相当
・必要容量のみを確保し、必要に応じて容量を拡張
・使用時に拡張して、0で初期化
・パフォーマンス要件が特段なければこっちの方が効率良くストレージを利用できる

以下は容量固定と容量可変で30GB作成したときの画面キャプチャですが、容量固定では実際に30GBのファイルが作成されているのに対し、容量可変だとファイルサイズが4MBと指定した容量に比べてかなり小さいことがわかります。

■イニシエーターはターゲットを通して仮想ディスクをマウントする
イニシエーターとは接続元のことで、ターゲットは接続先のことです。イニシエーターはターゲットを通して、仮想ディスクをマウントします。イニシエーター、ターゲット、仮想ディスクの関係を図示すると下図のようになります。

[ポイント]
1. イニシエーターは接続元サーバに1つ存在
2. イニシエーターは複数のターゲットに接続可能
3. ターゲットはストレージ上に複数作成可能
4. ターゲットに複数の仮想ディスクを割り当て可能
5. 1つのターゲットには1つのイニシエーターを割り当てるのが基本
6. 仮想ディスクは1つのターゲットのみに割り当て可能
7. ひとつのターゲットに複数の仮想ディスクを割り当て可能

ターゲットは接続を受け付けるイニシエーターの情報を持っています。この情報のことをイニシエーターIDと呼びます。これにより意図しないイニシエーターからの接続を防ぐごことができます。イニシエーターIDはIQN、DNS名、IPアドレス、MACアドレスのいずれかを指定できます。なおIQNは 「iSCSI Qualified Name」の略で、日本語だとイニシエーター名になります。イニシエーター名は接続元のサーバの[コントロールパネル]の[iSCSIイニシエーター]から確認できます。

イニシエーターIDはあらかじめ接続元サーバ―で確認しておき、ストレージ側のターゲットに登録します。図示すると次のようになります。

ちなみに、ターゲットにサーバ#2のIQNを追加することで同じ仮想ディスクに2つのサーバから同時にアクセスすることができるようになりますが、Windowsはこのような構成をサポートしていません。よって、1つのターゲットには1つのイニシエーターを紐づけるのが基本となります。

Windows OS では、一つのボリュームを複数のシステムから同時にマウントして使用することをサポートしておりません。

例えば、共有ディスクとして SAN ストレージ上のディスクを使用する際、ディスク装置上のマッピングは複数のホストに実施しどのノードからもアクセス可能状態と設定します。

この際、気にするべきポイントは各ファイル システムから同時にディスクへアクセスさせてはいけないという点です。

複数のホストから同時にボリュームをマウントして使用した場合には、各サーバーによる操作の整合性が取れず、ファイル システムの不整合が発生し、ディスク上のデータ破損などが発生する可能性があります
参考:ストレージ 共有ディスクを複数ホストでご利用いただく際の注意事項

 

次回はiSCSIで利用する認証方式 CHAPについて説明します。

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