第1章 Windows PowerShell とは
Windows の設定や操作の効率化や自動化などPowerShellで実行できることは様々です。PowerShellは単純なコマンドラインによる操作を提供するだけではなく、スクリプト言語としての機能を備えています。Windows に関わるエンジニア、特にインフラエンジニアであれば、PowerShellを使いこなせるようにしておきたいところです。
1.1. Windows PowerShellを使ってみよう
Windows PowerShell が何かを理解するためには、まずは使ってみることが大事です。Windows PowerShell は Windowsに標準搭載されているので特に準備はいりません。早速PowerShellを起動してみましょう。
おすすめは「ファイル名を指定して実行」を使って起動する方法です。
キーボードの Windows ロゴキー と Rキー を同時に押してください。
すると小さなウィンドウが開くので powershell と入力して Enter キーを押してください。
下記のような Windows が起動すれば成功です。
1.2. コマンドを実行してみよう
これ以降でコマンドを実際に実行してPowerShellの使い方を学んでいきますが、PowerShell 入力するのは PS> 以降の部分となるので注意してください。例えば下記のような表記の場合、実際に打ち込むのは Command の部分となります。
PS> Command
では早速コマンドを試していきましょう。まずは現在の時刻を表示する Get-Date コマンドです。
PS > Get-Date
2023年3月19日 15:30:21
実際の画面では下記のようになります。
1.3. GUI と CUI
GUI とは グラフィカルユーザーインターフェースの略で、画面をマウスでクリックして操作をするためのインタフェースです。一方、CUIとはキャラクターユーザーインターフェースの略で、コマンドを打ち込んで操作するためのインタフェースです。先ほど、Get-Date コマンドで時間を現在時刻を表示させましたが、Windows PowerShellはWindowsに標準搭載されているCUI です。
1.4. カーネルとシェル
まずカーネルとはOSの中核にあたる部分です。そしてカーネルを包むような形でシェル(殻)が存在します。コンピューターに対して命令を要求したい場合、ユーザーはカーネルとのインターフェースであるシェルに対して要求をおこないます(①)。要求を受け取ったシェルは命令を解釈したうえで、カーネルに対して実行要求をおこないます(②)。要求を受け取ったカーネルはコマンドを起動します(③)。コマンドは処理の実行をします(④)。
※上記はわかりやすさ重視の概念的な説明で、正確ではない部分がありますがご了承ください。
1.5. Windowsのシェル
Windowsを使うユーザーは通常コマンドではなく、マウス操作で実施すると思いますが、スタートメニューやタスクバーを含めたデスクトップ環境は Windows Shell と呼ばれます。ユーザーがマウスで操作をすることで、Windows Shell に実行要求がおこなわれ、Windows Shellがカーネルに対して実行要求をおこないます。また CLIであるコマンドプロンプトもシェルです。
そして Windows PowerShell もコマンドラインインターフェースを提供するシェルです。
1.6. Windows PowerShell とは
Windows PowerShell はコマンドプロンプトを改良したWindows の新しいコマンドラインシェルで以下の特徴があります。
- コマンドプロンプトで実行できることはすべてできる
- WindowsのGUI操作の大部分をコマンドで実行できる
- コマンドプロンプトと異なりプログラミングに適している
Windowsの設定や操作の自動化を実現する場合など、PowerShellで実現できることは多くあります。次章以降で具体的にPowerShellでできることを見ていきましょう。
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