Windows にはIEなどでユーザートリガーの通信で使用されるブラウザ用のプロキシと、Windows Updateなどシステムトリガーの通信で使われるWinHTTP Proxyの2種類のプロキシがあります。
プロキシの種類 | 設定範囲 | 主な用途 |
---|---|---|
IEのプロキシ | ユーザ | ・ユーザー操作による通信利用される ・主にIEやその他のブラウザで利用される ・OSユーザごとに設定が必要 ・手動で実行したWindows Update |
WinHTTP Proxy | システム | ・システムによる通信で利用される ・バックグラウンドで実行されるWindows Update ・バックグラウンドで実行されるライセンス認証 |
それぞれのプロキシ設定は独立しています。どちらのプロキシが利用されるかは通信により異なります。どちらか片方が参照しない通信もあれば、参照する順序に優先順位がある場合もあります。例えば Windows Updateを手動で実行すると、まず IEのプロキシが参照され、それからWinHTTP Proxyが参照されます。一方でWindows Updateがシステムにより自動実行される場合は、WinHTTP Proxyのみ参照され、IEのプロキシは参照されません。
1. IEのプロキシ
IEのプロキシは以下のとおりで、プロキシサーバーのところで、プロキシサーバのIPアドレスとポート番号を指定します。通常プロキシといったらこちらを思い浮かべるのではないでしょうか。

2. WinHTTP Proxy
Windows Update などで使われるWinHTTP Proxy はコマンドプロンプトおよびPowershellで設定および設定の確認ができます。通常あまり気にすることはないと思いますが、IEだとインターネットに接続できるのに、Windows Updateがうまくいかない、などの事象に遭遇した場合にWinHTTP Proxyの存在を思い出せればOKです。
① 現在のプロキシの設定の確認
netsh winhttp show proxy
実行例1
プロキシ設定が入っていない場合(直接インターネットと通信する場合)
C:\Users\Administrator>netsh winhttp show proxy
現在の WinHTTP プロキシ設定:
直接アクセス (プロキシ サーバーなし)。
実行例2
プロキシサーバを指定している場合(IP:192.168.10.10、ポート:8080)
C:\Users\Administrator>netsh winhttp show proxy
現在の WinHTTP プロキシ設定:
プロキシ サーバー: 192.168.10.10:8080
バイパス一覧 : (なし)
② WinHTTP Proxy の設定
netsh winhttp set proxy proxy-server=”IPアドレス:ポート番号” bypass-list=”IPアドレス1; IPアドレス2; “
実行例1
C:\Users\Administrator>netsh winhttp set proxy proxy-server=”192.168.10.33:8080″
現在の WinHTTP プロキシ設定:
プロキシ サーバー: 192.168.33.10:8080
バイパス一覧 : (なし)
実行例2 (バイパスを指定する場合)
C:\Users\Administrator>netsh winhttp set proxy proxy-server=”192.168.10.33:8080″ bypass-list=”45.32.2.;52.32.21.;”
現在の WinHTTP プロキシ設定:
プロキシ サーバー: 192.168.33.10:8080
バイパス一覧 : 45.32.2.;52.32.21.;
バイパスとはプロキシサーバを経由しない宛先のことです
③ Internet Explorerの設定をWinHTTP Proxy に反映
netsh winhttp import proxy source=ie
実行例
C:\Users\Administrator>netsh winhttp import proxy source=ie
現在の WinHTTP プロキシ設定:
プロキシ サーバー: 192.168.10.10:8080
バイパス一覧 : (なし)
④ WinHTTP Proxy の設定をリセット
netsh winhttp reset proxy
実行例
C:\Users\Administrator> netsh winhttp reset proxy
現在の WinHTTP プロキシ設定:
直接アクセス (プロキシ サーバーなし)。
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